第2章 領収書の集め方
皆さん、こんにちは
ゼロ流税理士です。
前回は、売上(収入)より経費を多く計上する、ということについて述べましたが、今回は、その経費を計上するには、具体的にどうすればいいのか、その計上方法についてご説明しようと思います。
経費を計上するということは、領収書を集めて、その領収書の合計金額を確定申告の用紙
申告書の記載方法は、後述しますが、今回は、経費の根拠となる領収書の集め方について述べますね。
本来、経費というのは、その事業にとって必要なものである、と考えられるかどうか、というところがポイントとなります。
経費となるもの、たとえば・・・
・キャバクラのお姉さんの場合 ⇒ 美容院代、化粧品、ドレス(衣装)など

・保険の外交員の場合
⇒ 喫茶店のコーヒー代(契約時に喫茶店を使いますよね)
スーツや靴(ユニフォームとして認められます)
・営業マンの場合
⇒ ガソリン代、車代(車購入費用)、通信費(電話代、Wifiなど)、宿泊費(出張)、交通費、接待費(お客さんとの食事代)、スーツや靴、ベルトなど
キャバクラのお姉さんにとっての美容院代というのは、業務上、必要と認められます。
しかし、建築業の方は、キャバクラのお姉さんのような美容院での髪のセットや化粧品などといったものは必要ないですよね?
必要のないものは、当然、経費として認められません。
このように皆さんの営んでいる事業によって経費の範囲は変わるのです。
【領収書とレシートの違いとは】

上記は、服屋さんの領収書になるのですが、ここでポイントとなるのが但し書きのところです。
但し書きに商品代と書かれていますよね?
この領収書では、スーツを買ったのか、ワイシャツを買ったのか、靴下を買ったのか、
何を買ったのかが分からないところが領収書の良いところなのです。
レシートでは、何を買ったのかが分かってしまいますが、領収書では、何を買ったのかは明確には分かりません。ですから、業務に明らかに必要のない子供服を買ったとしても領収書上は、『服屋さんで業務上必要な衣服を買った』という領収の記録とすることができるのです。
これこそが領収書の最大のメリットなのです
「イオンやイトーヨーカドーで食べ物や飲み物を買ったとしてもスーツを買いました、と言い切ることができてしまうんだよね~。領収書サイコ~!」と知り合いの経営者は言っていました。
食事代もそうですね
皆さんは、家族や友達、職場の同僚と焼肉を食べに行ったり、お昼に一人でラーメンを食べに行ったりしますよね?
それも、領収書をもらっておけば、すべて経費となる可能性があるのです。
知り合いの経営者が言っていましたが、「友達と焼肉屋さんでビールを飲んで、ただ騒いでただけの食事代は経費にならない、のではなく、重要な取引先との打合せを行ったのが焼肉屋さんだった」ということにできるわけです。
領収書を見ただけでは、友達と騒いだのか、焼肉好きの取引先との商談(=会議費)なのかなんて税務署から見てわかりません。
家族で食事に行って「お子様ランチ」を頼んだ場合でも、レシートには「お子様ランチ」と記載されてしまいますが、領収書の場合は、こういった品名が記載されませんので、「商談に利用した」という言い訳が通用するわけです。
クリーニング代だってそうですよね。
会社で使用しているユニフォームをクリーニングに出した際に、中にはとっておきのお出かけ着が含まれていても、領収書の但し書きが衣類やクリーニング代なら、こちらも経費として取り扱われる可能性があります。
つまり、実際の使途とあまり関係なく、その領収書を税務署が見て、経費として認められるのかがポイントなわけです。
レシートでは、経費として認められないような支出(子供服など)であっても領収書としてもらうことによって経費に計上することができてしまうのです。
だ・か・ら! 領収書をもらうようにしてください。
(!ココで注意!

領収書の発行元のお店の名前が明らかに業務との関連性が考えられにくいお店(たとえば、赤ちゃん本舗、トイザラスなど)の領収書は、税務署からその関係を指摘される可能性が高いため、避けたほうがよいでしょう)
また、領収書をもらう際、お店の人から「宛名はどのように記載しますか?」と尋ねられる場合があります。この場合、「宛名は空欄にしておいてください」と言いましょう。
理由は、領収書の貸し借りに備えておくためです。そのために宛名欄は空欄にしておくとよいでしょう。
誰が支払った(負担した)のかということを明らかにするために宛名欄はあるのですが、税務調査が入ったときに仲間同士で「領収書が足りない!」なんてときには、サッと経費を増やせるように宛名書きが空欄の領収書をプールしておけば、経費を増やすことができるのです。
空欄にしておいて大丈夫か、と不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、税務調査のときにおいては、宛名が空欄であったとしても実際のところは、経費として認められることがほとんどですのでご安心ください。
たとえば、コインパーキングやコンビニで受け取った領収書に宛名は書かれていませんよね?
でも、これらは、経費として当然認められるので問題ない、というわけです。
私の知り合いにコインパーキングやセルフ式のガソリンスタンドなどに落ちているレシートを探し求めて日々ウロウロしている人もいるくらいですから。
それでは、おさらいです。

・レシートではなく、領収書をとにかく集める!
・宛名は、空欄に!
・いざというときのために貸し借りできる状態にしておく!
以上の3点です!
今回のお話は、以上となりますが、第3章では、集めた領収書を確定申告用紙にどのように記入するか、というところを具体的に解説いたします。